理事長挨拶

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ご存知ですか?遺伝子の変異は誰にでもあります!
この変異が、ごく稀ですが病気の原因となることがあります。
そのひとつが副腎白質ジストロフィー(ALD)という希少難病です。

初めて知る「ALD」という病気。
「障がい」という未知の世界。
振り返ってみれば、当時6歳だった息子にALDの確定診断がくだされてからは、私自身何もわからないまま、目の前にいる息子のためにがむしゃらに介護を続ける毎日でした。
そして、その問題の重さへのとまどい、絶望、孤立感もあり、親でありながら、人として自分が社会の一員であるということを見失いそうになりました。
在宅介護を始めた頃、最初に感じたのは、「元気な時にできていた生活が、何故今はできないのだろう。」ということでした。
何かをしようとすると必ず壁にぶつかる。
前例がないと言われてしまう。

でも難病と闘っていてもできることはある。
困っているからこそ考えるんです。
毎日をハッピーに暮らしたい。
患者さんも、介護者も、周りにいる人皆が笑顔でいられるような生活
――障がいがあることは、不便だけれど決して不幸ではないと思うのです。

そして、2000年1月1日、ALDを患う子ども達・親達と「ふれあいたい」という一途な想いから、「ALD親の会」を立ち上げました。
その後、患者さんやその家族との交流会・勉強会、ALDの啓発に向けた講演会や、ALDをテーマにした映画「ロレンツォのオイル/命の詩」の上映会を全国各地で開催してきました。
そして、11年の活動を経て、「ALD親の会」は、2012年4月より、「NPO法人ALDの未来を考える会(A-Future)」として新たな活動をスタートしました。
3名の会員で始めた活動も、今では正会員(小児型・成人型・一般を含む)63名、個人賛助会員35名、団体賛助会員4組、サポート会員38名まで増えております(2015年1月現在)。
寝たきりで医療的ケアのあるわが子を育てながらの活動は、創意工夫の連続です。
私自身、この会を通じて実に多くの体験をさせていただき、自分の眼前だけで閉ざされていた世界がどんどん広がっていきました。何より、ALDと闘っている強く優しい子どもたち、患者さん、それを支えるご家族の存在が、私にパワーをくれます。私の原動力です。
今後はNPO法人として、ALDの研究、創薬開発が一刻も早く進み、患者の皆様の未来や社会に繋がるよりよい啓発活動ができるようスタッフ一同猛進してまいります。

ドクターや医療・福祉関係者のみなさま、支えてくださっているボランティアの方々、すべての皆様に感謝しております。
A-Futureへの更なるご支援、ご指導を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 

NPO法人ALDの未来を考える会
理事長 本間 りえ