ALDとは

ALD(副腎白質ジストロフィー)とは

photo_遺伝子治療を受けた骨髄幹細胞

ALD(副腎白質ジストロフィー)とは

 

“ALDは神経難病のひとつです”
ALDは、Adrenoleukodystrophy の略です。
日本語訳は、「副腎白質ジストロフィー」です。
脳のなかの白質と呼ばれる部分と副腎という腎臓の上にある小さな臓器の障がいがみられる進行性の病気です。病気の進行には個人差がありますが、元気に生まれすくすくと育ってきた子が学力の低下や視力、言語、歩行に障害を発症し、進行の早い子の場合は、発症から1年以内に死亡することもある難病です。

 

“ALDは主に男性に発症する遺伝病のひとつです”
ALDは遺伝子と呼ばれる体の設計図の異常により発症します。一般の人でも平均するとひとりあたり10個以上の重い遺伝病の遺伝子異常を持っていると言われています。でも、ほとんどの遺伝子はペア(同じ種類の遺伝子が2個ずつある状態)で存在するので、片方の遺伝子に異常があっても発病しません。ところがALDの原因遺伝子はX染色体の上にあり、男性は遺伝子を1個しか持たないため、ALDの遺伝子に異常が生じると男性は発病してしまいます。女性はX染色体を2本持ち遺伝子も2個あるため、片方の遺伝子に異常があっても,女性は基本的には発病しません(このような方を保因者と言います)。

 

“ALDの早期発見は、有効な治療につながります”
ALDには有効な治療法がありますが、病気が発症してすぐに治療を行わないと何らかの障がいが残り、死に至ることもあります。そのため、病気が発症する前に診断する技術(これをスクリーニング検査といいます)を開発するための研究が進んでいます。すでに、米国の一部では、発症前診断のためのスクリーニング検査が始められています。

 

“あなたの少しのお手伝いで、ALD患者の明るい未来が開けます”
しかし、日本を含むほとんどの国ではALDの患者さんを早く見つけるシステムがないので、ALDの多くの患者さんたちは、ある程度障がいが進んだ状態でALDの診断を受けることになります。元気に生まれたのに、突然ALDと宣告され障がい者と呼ばれることになるのです。障がいとともに生活をはじめると、社会から偏見の目でみられることもあります。障がいがある生活は不便だけれど、決して不幸ではありません。病気や障がいの正しい理解と、少しのお手伝いがあれば、みんな輝ける人たちです。